耕知塾の先生の推薦図書(塾報「耕知」より抜粋)

千田先生

[小学生向け]
☆「飛ぶ船」(H・ルイス)
ピーターというイギリスの少年が古道具屋で買った船がタイム・マシンで古代のエジプトや昔のイギリスに連れていってくれます。その時代の臨場感があって楽しめます。子供の頃に読んで印象に残っていた本ですが、最近、葛飾図書館のおすすめの児童書100選の中に入っているのを発見し自信を深めました。

☆「人間の歴史」(イリーン・セガール)
岩波少年文庫にも入っています。人類の歴史が一人の巨人の歩みのように生き生きと描かれていて、とても楽しく読めます。今、読み返してみると、少し楽観的すぎる点もあると思いますが、世界の歴史をひとつの大きな物語のように見とおすことができておもしろいと思います。
[中学生向け]  
☆「車輪の下」(ヘルマン・ヘッセ)
中学生ぐらいの年代のみんなが感じている受験勉強や友人関係の悩みを正面から描いた小説です。最後は、悲劇的な結果になりますが、同世代のみずみずしい感性と共感で、主人公のハンス少年をこんな運命に追いやったのは何なのか、考えながら読んでください。 

☆「罪と罰」(ドストエフスキー)
中学生の時に、国語の先生が「これはすごい本だからもう少し大きくなったら読むといい」といったのを聞いて、よし読んでやろうと挑戦したのを憶えています。ほとんど分からなかったのですが、大人はけっこうすごいことを考えるのだな、ということぐらいは感じたようです。中学生ぐらいの時期に、背伸びして思い切ってむずかしい本に挑戦するのも悪くないと思います。たとえ9割方わからなくても 、なにかすごそうだと感じるだけでもよいと思います。  

齋藤先生

[小学生向け]
☆「ユタと不思議な仲間たち」(三浦哲郎)
芥川賞作家、三浦のメルヘン。田舎町に転校した孤独な少年ユタと座敷わらしの心の交流を通じて、ユタはたくましい少年へと成長してゆく。その昔、凶作続きのため、間引かれた子供たち、これが座敷わらしの正体。童話だが内容はシリアス。  

☆「だれも知らない小さな国」(佐藤さとる)
人間と小人(コロボックル)の心の交流を描いたファンタジー。コロボックルは、全身が3センチくらいの小さな人で、人間の目にとまらないくらいの速さで動くことができるため、普通の人間はコロボックルがいることすら知りません。コロボックルに選ばれた人間のみが、コロボックルと仲良くなれるのだそうです。コロボックルは人間と同じような生活をしています。だから私には、とても空想上のものとは思えません。  

☆「大きな森の小さな家」(L.I.ワイルダー)
テレビシリーズでも有名。ローラという一人の少女の目を通し、西部開拓時代のアメリカが描かれている。今は忘れられつつある家族の絆、生活をすることの大切さ、そして、当時のアメリカの農民の生活の過酷さが細かく描かれており、大人になって読んでみても、なおおもしろいというシリーズです。  

☆「ナルニア国物語」全7巻(C.S.ルイス)
イギリスのある兄弟が、夏休みに田舎へ遊びに行き、タンスの中から、ナルニア国という人間の世界とはまったく別の空想上の世界へまぎれこみ、冒険をくりひろげる。一話完結だが、1〜7巻まで通して読むと、ナルニア国の誕生から死滅までの流れを見てとることができる。この作品はカーネギー賞受賞作品です。

[中学生向け]  
☆「杜子春」、「地獄変」(芥川龍之介)
芥川ファンの私が一冊も推薦しないということはあり得ません。芥川の作品は、難しいと思えば難しいし、易しいと思えば易しい。中学生でも十分に読めるものと私は思います。芥川は、中国や日本の古典から題材を多く拾い、芥川ふうの味つけをして読ませてくれます。これから古典を勉強する中学生にとって、古典に親しむ一つの材料として読んでみるのもよいでしょう。

☆「私家版・日本語文法」(井上ひさし)
「文部省も国語の先生も真っ青!あの退屈だった文法がこんなに興味津々たるものだったとは」、というキャッチフレーズ通りの超おすすめの一冊です。文法の嫌いな人も、これで文法のテストが100点!というわけにはいかないかもしれませんが、爆笑しながら、知らず知らずのうちに勉強してしまうこと請け合いです。「ゴルゴ13」から野球場の野次まで幅広い例を取り上げて読ませてくれます。  

☆「三国志」(吉川英治)
劉備、曹操、諸葛孔明などという名前を聞いたことがありませんか。これは、私が解説しないほうがいいかもしれません。とにかく読んでみてください。長編ですが、やめられなくなること請け合いです。大人の人たちでも、少年少女の頃、これを読んで吉川英治ファンになった、という方が多いのではないでしょうか。「三国志」にかぎらず、吉川英治の作品で「はずした!」と思うものはありません。  

☆「復活の日」
これはとても怖い話です。怖いといっても,ホラー、スプラッター、オカルトという怖さではなく、戦争のための化学兵器開発競争による人類滅亡の危機をとりあつかった、本当に起こりそうな話だからよけいに怖いのです。読んだ後はなんとも言えないような気持ちにさせられますが、深い感動をおぼえることも確かです。「人間はとても弱い生き物なんだ」、だけど、「シブトイものなんだ」という両面を一度に認識できます。  

矢野先生

小、中学生の時期は少し背伸びをしてでも、少年少女向けの「名作」とでも言うべき作品に触れておくのがいいと思います。コミックは確かにおもしろいし、テレビゲームは楽しいけれど、本の世界に引き込まれ、時間を忘れて読みふける楽しさは、また格別の味わいがあります。あせらず、マイペースで自分の好きな本を読んでください。

[小学生向け]  
☆「十五少年漂流記」(ジュール・ベルヌ)
SF文学の先駆者とでも言うべきジュール・ベルヌの作品の中でも、これは特に読んでおいて損はないと思います。無人島に漂着した十五人の少年が懸命に行きぬいていく様子に、自分もその中の一人になって一緒に生活してみたい、と心動かされます。じわじわと心の中にわきあがってくる感動は、本の一行一行を追うのでなければ味わえないものです。男子にはぜひ読んで欲しい一冊。同じ作者の「海底二万里」もおすすめ。  

☆「若草物語」(オルコット)
これは女子向けの一冊。(とはいえ、男子でも十分におもしろいはず)。四姉妹、一人ひとりが非常に個性的で、彼女らがおりなす毎日の生活は、読んでいてあきることがありません。他愛もない日常生活も、見方を変えるとおもしろくなる好例。なお、続編もありますが、こちらは賛否両論あり。まずは、本編を読むことをおすすめします。  

☆「クレオ」(デ・アミーチス)
「母をたずねて三千里」などの珠玉の短編を含むこの小説、実は学園内の生活を描いたもの。先生や友達とのやりとりの中で、こういった短編が顔を出してきます。少し長いけれど会話文が多いので読みやすいと思います。

[中学生向け]  
☆「次郎物語」(下村湖人)
この作品はひとりの少年「次郎」の少年時代のことを描いたものです。主人公はお世辞にも素直な少年とはいえず、どちらかといえば意地っ張りで、あまのじゃくで、少し甘えん坊の気質もあります。初めは彼のやることなすことすべてに、「なんでこいつはこんなことするんだ」と文句をつけたくなるのですが、そのうちに、自分の中にも主人公と同じような性格が見えてくるのに驚かされるはずです。  

☆「化学のドレミファ」(米山正信)
自然化学の一分野である化学の基本を、非常にわかりやすく解説しています。この本はシリーズで九冊出ていますがその中でもタイトルの一巻、五巻(炭素の話)、および七巻(水の話)が読みやすいと思います。ちなみに、私は中学時代にこの本と出会って、化学の道を志しました。なお、自然化学についていろいろ知りたいという人は、講談社のブルーバックスがおすすめです。大人向けの本なので少し難しいけれど、理科の先生にでも質問しながら読んでください。興味をそそられる箇所がきっとあると思います。

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